バリアフリーレーシングカー

「あなたの障害ではこの車には乗れません」とは言いたくない。やる気とチャンスに恵まれたすべての身障者に乗ってほしい。この車を作った理由です。

 ◆様々な障害がある複数のドライバーが、1台の車をシェアする難しさ。

 耐久レースは、1台の車をタスキのように繋いで長時間のレースを戦います。レースでは4~7人程度のドライバーが交代で運転を担いますが、ドライバーの障害の部位や程度は千差万別です。あるドライバーは、車いす利用の両下肢障害、あるドライバーは左足が義足、またあるドライバーは左手の麻痺など、使う運転補助装置はその人に特化した専用の装置が必要です。自家用車であれば自分専用に改造することはできても、1台をシェアしなければならない耐久レース用のレースカーではそうはいきません。私たちの保有するレースカーは、ドライバーが必要とする様々な運転補助装置を、1台の車に取り付けています。手動装置、左アクセル装置、左右旋回グリップなどです。

 ◆両下肢障害では操作不能なクラッチ操作を可能にする。

両下肢や左足に障害のあるドライバーは、左足でのクラッチ操作ができないため、通常はMT車を運転することが出来ません。しかし、レースにおいてはMT車での出場が不可欠であり、私たちはトヨタMRSに標準装備されたシーケンシャルミッションを使用しています。

 ◆緊急時の脱出

障害のあるドライバーが本格的なモータースポーツに参加する時、最も難しい問題が、緊急時の車外脱出の問題です。サーキットではコース上で車が停止してしまった場合、ドライバーは速やかにコース外へ退避する義務を負っています。また、コース上での車両火災等の際には、車からの脱出は、ドライバーの責任において自力で行うこともルールとなっています。